喫茶店が終わり、居酒屋が開店するまでの空いた時間に、恭子は眠っていた。
珍しそうに烏丸はそれを見つめる。

いつもは恭子は存在を消してから眠るのに、今回は無防備に寝ていた。

「……綺麗な顔してる」

いつもとは違う表情。どこか口元は微笑んでいた。


「なんか夢でも見てんのかな……恭子さん」

それならばきっと幸せな夢なのだろう。
目が覚めたらコーヒーでも淹れてみようと、烏丸は厨房へと向かった。