「へー。元とどこが変わってんだか全然わかんねーけど」
「あ、村上はそれも気付いてたよね。リップの色変えたとか、初日に言ってきてたし。
よく気付いたよね、アレ。本当に明日香が好きなんだねー」
『あれ、リップ変えた? 明日香によく似合ってる』
微笑まれながら言われた一言が頭にポンと浮かんできて、顔が熱を持つ。
今まで男の子から言い寄られた事がないだけに、そういう歯の浮くようなセリフには慣れてない。
だから、言われた時は今よりももっともっと真っ赤だったと思うのに……。
そんなあたしを、孝太は優しく微笑んで見てた。
そんな孝太を見て、本当に想ってくれてるんだって分かって……ドキドキした。
「何思い出して顔赤くしてんだよ」
急に視界に入ってきたのは、ミツの顔。
びっくりして、すぐそっぽを向く。
「べ、別に! 孝太の事とか考えてたんじゃないもん」
「……へー。村上の事考えてたんだ。分かりやすすぎだろ、おまえ」



