「負けんなよ」 「…え?」 「見てる奴はちゃんと見てるから」 桐沢君はそう言って微笑むと私にボールを投げた。 パシッと受けると、彼は静かに体育館を出て行った。 このとき、少しだけ希望の光が差したような気がした。 だけど、これから始まる暗闇の存在をまだ知らなかっただけ…。