「あ、葉村」
「…はい?」
マサシが調子のいい声で私の名前を呼んだ。
「俺の荷物、部室に取りに行きたいんだけど、お前カギ持ってる?」
「持ってるけど…」
「じゃあ、今一緒に部室に来てくんない?」
「え?今から?」
時計を見ると、まだ時間はじゅうぶんある。
「ほら、やっぱ他の部員と顔合わせづらいし」
「…まあ、そういう事なら仕方ないか…」
教室に虎鉄かマホがいたなら、付き合ってもらうとこだったけど、二人ともまだ来てなかった。
「んじゃ、とってくるわ~」
「いってらっしゃい~」
ヒラヒラと手を振りながらマサシは教室を出る。
ニコニコと彼女ヅラして手を振るカズミ。
サエは表情も変えず、険しいままだった。



