「まさかと思って、後をつけてったら、本当に星崎クンとたい焼き食べて、バスケして…。何でアンタなんかが…アンタみたいに負けた人間が星崎クンなんかと親しくしてんのよっ!」
「ひがむのもいい加減にしなさいよっ!」
「豊川さんは黙っててよ!アナタに関係ないでしょうが!」
黒板消しが当たったところから血が流れ落ちてるのがわかった。
額がジンジンと痛み出す。
「…ちょっと、何の騒ぎ…?」
「おい、ゆずっこ!大丈夫か?!」
サエが驚いたような声を出す。
続いて、虎鉄が私に駆け寄ってきた。
「何?何があったの?」
「マホ!オレはゆずっこを保健室連れてく。おい、浜中!お前は現状維持してろ。マホ、先生呼んで来い。お前らっ!一歩もここ動くんじゃねぇ!」
虎鉄がテキパキと指示を出す。
マホはすぐに先生を呼びに走り出す。
浜中と呼ばれたサエは、状況が飲み込めないような顔をしながら、紀子と好子の元へと行く。
教室に居た人は顔を見合わせながらも、ただ立ち尽くすだけだった。
「しっかりしろよ?!お前守れなかったらトージに…」
トージが…何…?
私の意識はそこでなくなった。



