「女子部ももうすぐメンバー発表あるんだよ。1年生から2人選ぶつもりだってキャプテン言ってた」

「そうなんだ?」


サエの言葉に私が聞き返すと、彼女は頷いた。


「今年は自主練を率先してやってる1年生多くて、腕を上げてる子がいっぱいいるから、選ぶつもりだって先輩が言ってたの」

「そっか~。サエ、選ばれるといいね」

「えー?ゆずのが選ばれそうだよー」

「ないない」


私はボールをつきながら言う。


サエは経験者だし、自主練も率先してやってるんだから、私なんかよりも上手いし。


私は経験者じゃないから、経験者に追いつくまでこうして空いてる時間に練習するしかないから、それで初めて経験者と同じスタートラインに立てるんだもん。



こんな私がベンチ入りできるなんて、夢のまた夢…。