『…さてと。』 静かに椅子から、腰を持ち上げる俺。 別に、“パシろう”とかそんなつもりはないけど、解放してあげたのには訳がある。 『……。』 美穂に続いて、無言で教室を出る俺。 解放してやった“訳”とは、ただの興味本位。 ――美穂が驚いた“訳”が、見たかったから。 『…なにがあるんだろうね。』 だって、いつもは大人しい美穂が、あんな反応するんだろ?? よっぽどの奴が外に立っているのだろう。