だいたい、なんでこういう時に限って、起きているの? いつもは寝ていて、これっぽっちも授業を聞いていないくせに。 …どうせなら、今日もいつもみたいに寝てほしかった。 『……。』 本当に、どうしよう。 この沈黙が、この視線が。 クラスメートみんなが「こんな問題も解けないの?」とバカにしているような気がします。 だって、ここは偏差値が凄い進学校。 因数分解を解けない人なんて、ほとんどいないのです。 私はスカートの裾をギュッと握りしめ、恐怖とともに立ち尽くしたまま。