きっと、美穂はなにも知らないのだろう。 今まで俺が、どんな気持ちでお前を見ていたか。 今まで俺が、どんな気持ちでお前の側にいたか。 俺が面倒な会長選挙に立候補した理由、知らないんだろ? “…俺もやる” 会長なんか、やるつもりがなかった。 やろうと思ったのは、頼りない美穂が推薦されていたから。 鈍くさい美穂と、仕事をやるのも悪くないと思ったから。 ――認めなくないけど、美穂のことがこの時から好きだったから。