ふいに、甘く嘆かれた私の名前。 会長がジッ、と、私の目を真っ直ぐと見てきました。 …今の心境は、焦り半分、ビビり半分。 突然呼ばれた驚きと、また何か言われるのかという恐怖心が入り混じっています。 ――でも、 次に嘆かれた言葉は、私の予想を大きく反したものでした。 「…ありがとう。」 『えっ…。』 ぶっきらぼうに放たれた会長の言葉と、私の小さな声。 …一瞬、耳を疑った。 今、会長がお礼を言った…?