会長は今、なにを考えているの? 私のことを、どう思っている? 会長の心が見えたら楽だけど、なんだかそれは怖い気がします。 それどころか、会長は私の心が読めて、それを知って私の心を弄んでるんじゃないのか。 そんなことを思ってしまうのです。 『……。』 暗号のような数式がかかれている参考書を、指先でペラペラめくる。 そんなこと、あるわけないのに。 私の心を会長が読めるなんて、そんなことあり得ないのに。 あり得ないとわかっているんだけど、そんな錯覚に陥ってしまう。 こんな感情、初めて。