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ひらり、桃の居なくなったこの時代に、藤の花びらが風に流れた。
沖田はその様子を見ながら、優しく微笑む。
つらい?
つらい。
悲しい?
悲しい。
さみしい?
さみしい。
自問自答を繰り返しては、沖田は笑い、そして空を見上げた。
もう触れることの敵わない体温と、もう見ることの敵わない笑顔。
届くことのない声、
守ることもできなくなった。
「近藤先生、私は、あなたのもとで、新選組一番隊組長として、京で生きれて、よかった。楽しかったなぁ」
だって、菅野さんに、会えた。
すごくすごく、

