歴史の星空に飛び込んで



***




江戸に着いて、私と沖田さんは医師松本先生により、今は植木屋さんに匿っていただいています。



もうそこでの暮らしにも慣れて、日々がゆっくりと流れていますが、

今なお鳥羽伏見から始まった戦でたくさんの血が流れ、

新選組も最前線で戦っているのです。



嘘みたい、

言ってしまえば不謹慎ですが、本当にここは、血の漂う世界から切り離されたように穏やかなのです。



その証拠に、




「ねぇ菅野さん、好きですよ」



こうやって沖田さんが私に好きと言わせるようにしむけてくるようになりました。

頻繁に。


しかもキス魔です。


どうにかして下さい………!




「沖田さん!寝ててって言ってるじゃないですか」



庭で物干しをしていた私の後ろから、ニコニコで笑いかけてくる沖田さん。

本当に心臓に悪い。



「今日は頗る気分と体調がいいんです」

「だからって……っ、んもう」



好きって言わないとおとなしくしくれないんだろうな、沖田さん。

ひとまず洗濯物から手を離して沖田さんに向き直った。



すごい満面の笑みの沖田さん。

期待大だわ、これ。

うーん、どうしよう。毎回私が恥ずかしいだけだもんこれ……。



「菅野さん、好きです」

「うう……私も、です……」



あ、だめ熱い。



「ふふ、かわいいなぁ菅野さんはぁ」

スポンと沖田さんの胸の中に収まって、私ははっと目を見開いた。



……完全に沖田さん変な癖を持っちゃったんだ……!

しかも楽しんでる……っっ。