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「局長、只今戻りました」
早朝、局長近藤、副長土方のいる部屋に斎藤が戻って来た。
並んで座る二人の前で頭を下げながら斎藤は少しの違和感に気付いた。
なんというか、雰囲気が丸くなっている。
特に副長、
まあ今はそれより、
「伊東は、薩摩と手を組み近藤局長の暗殺を目論んでいます」
「……はっ、間違いねぇな?斎藤」
「はい」
土方は鼻で笑うと隣にいる近藤を見た。
「だとよ、かっちゃん。まー伊東は端から勤王倒幕派だったからな、薩摩と手を組みやがったか……。
伊東も薩摩も幕府を裏切るのが好きみたいだな、武士として生け簀かねぇぜ」
「トシ、感情表に出し過ぎだ。
だが手を討たねばいかんな」
「それなら俺にまかせなかっちゃん。」
「一番怖いがトシに任せるのは」
同感、と斎藤は心の中で呟いた。
「悪いが引き続き頼むよ斎藤君」
「承知」
「ああそうだ、戻る前に、菅野君が戻って来ているんだ、会うといいよ」
菅野……、
その言葉にぐらりと視界が揺れた。
だから雰囲気丸いのか、とか
そんなんじゃなくてただ動揺で。