「私が、労咳でも?」






世界がピタッと止まった気がした。

労、咳………?


涼香さんの言ってた言葉が頭を過ぎる。


死病、死病、そんな、



「労咳、なんですか……?」

「ええ、私は労咳です。
だから菅野さんが帰って来るまでに治ってたらと思ったんですけど、

やっぱり死病は治りませんね」



空笑いを浮かべる沖田さんを、私は見上げた。



ううん、睨みつけて



「何言ってんですか沖田総司!
あなたは一番隊組長ですよ!天才美剣士ですよ!?
その沖田さんが死病ごときでなげやりになってどうするんですか!!

信じてれば絶対に治ります!!」



あ、なんか私が泣きそうだ。


「無理ですよ」


「沖田さんは絶対に死なない!死なせない!
ずっと側に、いるんですから」



ついに泣いてしまった。えぐえぐと目から涙がボロボロ零れていく。

これじゃ説得力もないよっ


「……っ、ありがとう」



沖田さんはやっとフワリと笑った。