「え、そんな、」

「では、留守番頼んだよ」

「近藤さんんっ」


ニコニコと近藤さんは立ち上がって部屋を出て行ってしまった。



「行っちゃいましたね……」



私の近藤さんを追う手が虚しく残るなか、沖田さんがそうボソリと呟いた。

ど、どうしよう。



なんか、改めて二人きりだと思うと緊張する。


振り返って沖田さんを見ると、沖田さんは私の隣でかわらず座って、表情は微笑。


私をその目でうつしていた。



ドキッと胸が跳ねる。



「そ、そうですね、……あ、沖田さん、私ずっと側にいます。
前に好きになってもらうまで帰らないって言いましたしね」



ドキドキと煩い心臓を隠しながら私は沖田さんの方に向いた。
だけど視線は合わせられなくて、スカートの裾を掴む。



「……好きになってはいけませんか?」

「え!?」


ドキッと胸が、というより体全体が跳ねた。

え!?え!?何!?空耳!?



「菅野さん……私の、」



固まってしまった私の手に、沖田さんが手を重ねた。