斎藤さんと平助君の姿が見当たらなかった。
山崎さんはこういう、土方さんがいるときにいるっていうのなかなかないから慣れてる。
けれど、会いたいな
***
沖田さんと屯所の外にある近藤さんの別宅にやって来た。
「近藤さん、沖田です」
部屋の前までやって来て、沖田さんはそう襖越しに声をかける。
どうしよう、何て話したらいいんだろう。
「ん?あぁ」
こ、近藤さんの声だ
沖田さんは緊張する私を見てニッコリと優しく微笑んでくれた。
それだけで救われる。
スーッと襖が開けられて、良い畳の香りが漂った。
思ってること全て話そう。
沖田さんに続いて私は部屋に入っていった。
近藤さんはまだ私達に背中を向けて書き物をしていて、私と沖田さん並んで座ってからやっとこちらに振り向いた
ガシャンッ
「か、かかか菅野君じゃないか!」
え!!なんか化けて出たみたいな反応!!
近藤さんが後ろに身をひいたから色々机の物とかが揺れた。

