なんでそんなじっくり見るの!?
肩を震わせながら私は愛想笑いを浮かべる。


ていうか、

「一年も経ったんですか?」

「そうだね、君が本と消えて一年以上になるよ」




ええ!?

私また微妙なところにタイムスリップしたな、

ちょっと間違えたら幕末に戻れなかったんじゃない!?



恐ろしや、恐ろしや


まあ、確かにキタジ君がめちゃくちゃ大人っぽくなってるしね。

時が経ったのも頷ける。



「でまたなんで戻ってきたんだい?ってば」

「え?ああ」


桂さんは私から手を離して腕組をすると楽しげに私を見た。

弓道してたキタジ君も手をとめてるし、


話さなきゃダメかな?なんか恥ずかしいんだけど。




「言わないなら新撰組なんかに帰してやらんよ?」

「え?帰す気あるんですか?」



本当子供大人な桂さんの言動はいちいち首を傾げたくなるものばかり



「私だって鬼じゃない。人の恋路を邪魔するような野暮なやつでもないしね」


桂さんの笑顔に
どこが、って唾を吐きそうだった。