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無人の図書室、薄いカーテンの閉められたその部屋は、独特の雰囲気を醸しだしていた。
私はまっすぐに目当ての本棚に向かう。
たしかこの辺りで本が降り懸かってきたんだよ……。
人差し指で並べられた本をなぞりながら私の視線はピタッと止まった。
「あった」
君に贈る。そうだ、沖田さんに読んであげようと思ってたんだっけ。
開いて読むのは無理そうだな、
なんて少し笑いながら私は君に贈るを取り出した。
もしも受け入れてもらえなかったらどうしよう。
……………そんなことないか、
だって沖田さん言ってたものね、
『待っています』って。
私がまたそっちに行ったらまた迷惑かけちゃいますよ
私のことなんかほっとけばいいのに、皆が、沖田さんが全力で守ってくれるから
帰ったら土方さんに怒られるかも。
あ、でも土方さんに怒られるのも、限られるのなら悪くないかも。
また受け入れて欲しいな、
こんな私を、

