私のわがままだったけど、
沖田さんが私のこと好きになるまで帰らないって言ってたのに
そんなわがまま言ったから帰らされちゃったのかな。
それだったら、
それだったら、
私これからちゃんと頑張るから、お願い
さよならってちゃんとするから、
あの時代に行きたい……。
「沖田さん」
『菅野さん』
『桃』
私、あなたが好きなの、何物にもかえられないくらい
ちゃんと、ちゃんと帰ってくるから。
あんな別れ方は嫌。
「桃ーっ、いつまで浸かってるの、逆上せるわよー?」
だあっ
お母さんの声が扉の向こうから聞こえた
お母さんってば雰囲気の掴めない人だなぁ、
でも、ありがとうお母さん
そんなお母さんの娘だから私
やっていけたんだろうな
私、何をしてでも、もう一度あの時に行こう。
それからちゃんと帰って来て、
「お母さん私、日本史の先生になる!」
「なに急に、それならちゃんと勉強しなさいよー」
「うん!あれ?反対とかしないの?」
「しないわよ、桃が選んだ道なら桃の好きなようにしなさい。」

