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感じたのは手の温もり

まっすぐ私を見つめて私を呼ぶ沖田さん




「―――――――沖田さんっ……」



パチッと目を開けると、そこは見慣れた景色だった。



この白い天井、ピンクのカーテン、
お気に入りの鞄
寝慣れたベッド。



私の部屋だ。

私、







「帰って来ちゃったんだ………!」




ムクッと起き上がって足を下ろした。

全部全部私の居場所、

慣れた空間、それなのに、心が痛い






「桃ー?何あなたいつのまに帰って来てたの。部屋の電気もつけないで、……ちょっと聞いてるの?」


パチッと部屋に電気がついて一気に空間が現実味を帯びた。



お母さんが部屋のドアを開けて呆れてる。


「お母さん」

「何?」


あんなに会いたかったのに、なんでだろう。

足りない、よ。



「もう、帰って来てるならちゃんとただいまくらい言いなさい」



ん?