「ははっ、それはすまなかったね」 「いいえいいえ、お気になさらずー、そのおかげでよりいっそう桂さんが嫌いになっただけですからー」 「手厳しいねー、久坂君がいたらまたえらいことになってそうだ」 「そーですねー」 自分でびっくりするくらい私ふてこいよ。 でもこのくらいじゃないと桂さんも濃いから流されちゃう。 「そう言わずに長州に来たらどうだ桃、 ほら、この通り本もあるし」 は、本……! 桂さんは得意げに懐から本を取り出して私の前でブラブラしてみせた。 この子供大人めっ……!