怖かった。

今までどれくらいの量の血を見てきたか、もうわからないほどなのに、



はじめて血が怖かった。



「ゲホッゲホッ」

「君、大丈夫か」



そんな時にポンと背中をたたかれて、沖田は顔を上げた。

そこには壮年の男、



「来なさい、私は医者の松本。君は新撰組の……者だね」

「……ケホッ…」




***


ドテッ

「きゃっ」

「わっ……」



私は男の人に連れ去られて宮川町のお座敷にやって来た。

力尽きたのか畳に落とされたけど。