沖田さんの姿が見えない、

沖田さん……、助けてよ……!



暗い路地をずっと行って、明るい表通りはどんどん遠くなっていった。


この路地に沖田さんの影はうつらない。



沖田さんに何かあったのかも……、

沖田さんっ……!


***


「ゲホッ!ゲホッ!か、菅野さ、ん」




桃を追いかけていた沖田は、詰まるような苦しみに走れなくなった。

桃の助けを求める目が頭から離れない。



また助けられないのか、



咳込みながら胸に手をあてる。
苦しい


また血を吐くんだろうか。