みよ子は首を傾げる。

「優太君はね、遠くへ行ってしまったんだよ」


看護師さんは目線を合わせてみよ子の頭を撫でてくれた。


小さなみよ子はわかった。

あの日自分にはわからなくて優太君にはわかった何かが



優太君はお母さんを目覚めさせてくれたんだね。


でもわかったからって悲しくはなかった。

約束したから。


みよ子は病院の帰り道、橋の上で立ちどまって手紙を取り出した。

お母さんとお父さんは振り返って様子を見守る。



そんな中で、みよ子は優太君に書いた手紙を川に放り投げた。


「優太君に贈り物、届くかな」

「きっと届くわ、だってお母さんにもちゃんとみよ子のお手紙届いたもの」




みよ子はお母さんに頭を撫でられながら笑顔を浮かべた。