泣いて泣いて、 桃は未来を求めていた、でも悩んでいたように見えた。 もし、 彼が言うその本のことがわかったなら、桃の自分を『お母さん』と呼びながら泣く姿が、少しでも笑顔にかわるんじゃないか、 そんな気がした。 ここは、桂の話しを聞くのがいい、と涼香は息を吐く。 「その本がどないしたんどすか?」 幾松は待ちきれないとばかりに身を乗り出してその本を見た。 「内容もだいたいわかったしね、それと面白いことがわかったんだ」 「だから何やのー?」 キタジも首を傾げて桂を見つめる。