「えらいかわいい子供がいはりますねぇ」




自分の隣にチョコンと控えめに座る男の子を見て、幾松は上機嫌に笑った。



男の子では、ないはず。



「あ、あの、あの、」



「きちんと彼は今年で19になった青年なんだぞ。
こないだ危なかったところを助けてもらったゆえにな近くに置いてやろうと思って。
名前は喜多時だ。」


「キタジ君ゆわはるの、桂先生のこと助けてくれはっておおきに」



キタジは目を見開いて、それから恥ずかしそうにフルフルと頭を振って俯いた。


かわいい、と幾松と桂は頬を緩ます。

涼香はニッとキタジを見た。