かなりまくし立てて、幾松はコホンと咳ばらいをした。


「あぁかわいそう桃ちゃん。久しぶりにあったらすっかり大人の顔してたし、
誰に大人教えてもらわはったんやろ」

「なっ、大人!?どういう意味だ幾松!お父さんはゆるさんぞ!」

「いややわお父さん、桃かて年頃の女子なんどっせ?
恋くらいしはります」

「ぬおおおおお!!桃おおおお!!」

「あはははっ!もうやめてお腹痛いぃ」

「やらせたのは幾松だろう」



逃げの小五郎と呼ばれる桂がここまでも心を開く者は数少なかった。

幾松もはじめ、

利用からだった。