*** 「桃ちゃん元気にしたはりますやろか?」 「どうだろうね、ただ、彼女は再び私の前にあらわれるよ」 「なんで?」 「彼女の本はここにはあるからね」 パラパラと桂はその本をめくり綺麗に並べられた活字を睨んだ。 「へぇ、信じられへんくらい小さい字どんなぁ」 「あぁそうなんだ。未来の物故」 「あぁ、そうどすねぇきっと。なんや少しわかりにくいなぁ。」 「読めないこともないだろうが」 パタンと本を閉じ、桂と幾松は表紙に目をやった。