余計なことは絶対に出来ない。 「……桂小五郎さん。」 私はゆっくりと静かに彼の名前を呼んだ。 「あなたの思うまま行動してください。そうすれば大丈夫です。 あ、そうだじゃあ一つだけ」 私の記憶が正しければ、 「桂さんは幾松さんと結婚して、幾松さんは松子と名乗っています。幸せになるんです」 このくらいなら大丈夫だと思って、言ってみたら、桂さんは微笑み私の頭に手を乗せた。 「まさか君の口から幾松の本名が出るとはね。私は何と名乗っているのだい?」 「木戸孝允です」 「木戸……か。」