*** 「山南さん、俺達が何とかするから逃げてくれよ」 「お願いだ、あんたには死んで欲しくないんだよ」 切腹を控えた山南の部屋に、原田やら永倉らがこっそりとやって来た。 それにも山南は正座のまま姿勢を正してニッコリ 「ありがとう。もう思い残すことはないんだ。私は武士として生きれたのだから」 そう言って沖田を見るとまた優しい笑みを山南は浮かべた。 「介錯を頼んでいいかな、総司」 「………承知しました」 初めて彼らと会った日を、山南は思い出していた。