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「山南さん、俺達が何とかするから逃げてくれよ」

「お願いだ、あんたには死んで欲しくないんだよ」



切腹を控えた山南の部屋に、原田やら永倉らがこっそりとやって来た。


それにも山南は正座のまま姿勢を正してニッコリ



「ありがとう。もう思い残すことはないんだ。私は武士として生きれたのだから」


そう言って沖田を見るとまた優しい笑みを山南は浮かべた。


「介錯を頼んでいいかな、総司」

「………承知しました」



初めて彼らと会った日を、山南は思い出していた。