「待って沖田さん!」 部屋を出て行こうとする沖田さんの背中にガバッとしがみついた。 いかないで欲しい。 沖田さんだってそうでしょう? 一瞬ぐらついた沖田さん。 「……離して下さい」 「いやです」 すると沖田さんは私を振り返って、それから 「たく、しょうがない人ですね」 そう言って私を抱きしめてくれた。 ギュウッと。 胸がキュウンと切ない悲鳴をあげる。 今はそれどころじゃないのに と沖田さんを押すけれど沖田さんはギュウッとまた腕を強めた。