そう、酔って、る、の…………… 「すーすー」 「か、か、菅野さん?」 沖田は、自分の方に倒れ込んできた桃を呼ぶけれど返事はない。 「寝たんですか………」 顔を真っ赤にして桃から顔を背けた沖田は深いため息を吐き出した。 こんな可愛い寝顔は壊せない、と。 大事だから手を出せない。 大事過ぎてこんなに苦しい。 あなたがこの時代の方だったら、私は多分あなたに触れているのに。 時が邪魔して何も出来ない。 一瞬一瞬が大事過ぎるんだ。 沖田は苦しげにニッコリ笑って桃の唇にもう一度だけ口付けた。