帰りたいってば。
なんて私の真意は無視。そりゃそうさ。言ってないんだから。
でもなんで
「桂先生はよろしくってお前に言ったんだろう?
でお前はよろしくされて新撰組に捕まった。
でも、何も言わなかっただろう?」
何も知らないのだから。
久坂さんは、私の煮え切らない態度にため息を吐いた。
「何が不安?これから楽しくなるかもってのに」
行き交う人々は、私の身なりを疑うような目付きで見る。
そりゃあ、幕末にブレザーは珍しいでしょうね
今まであんまり指摘されなかったのが変なくらい。
「……とりあえずどこか連れてって下さい」
人々の視線から逃げたくて久坂さんに頼んだのだった。