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山崎さんの後ろを走りながら、私はまだ赤まった頬を抑え切れないでいた。



走ってた方向が真逆だったとか私痛すぎでしょう。




「気ぃつけや、こっからは火の海や」



ほぼ考え事していた私は、山崎さんの言葉にハッと息を飲んだ。



「………!?」




言葉も出ない。


いつもは人で賑わっていた京の町が、煙たくて少し先に火の気も見える。


私達が進んで行く先からは、煤だらけになって逃げて行く人が沢山。



皆大きな荷物を抱えて悲壮な表情を浮かべていた。




街中が焼けているんだ……!