*** 山崎さんの後ろを走りながら、私はまだ赤まった頬を抑え切れないでいた。 走ってた方向が真逆だったとか私痛すぎでしょう。 「気ぃつけや、こっからは火の海や」 ほぼ考え事していた私は、山崎さんの言葉にハッと息を飲んだ。 「………!?」 言葉も出ない。 いつもは人で賑わっていた京の町が、煙たくて少し先に火の気も見える。 私達が進んで行く先からは、煤だらけになって逃げて行く人が沢山。 皆大きな荷物を抱えて悲壮な表情を浮かべていた。 街中が焼けているんだ……!