「縄とか、土方さんの趣味ですから」 「勝手なこと言ってんじゃねえよ!」 クスッと笑った彼の後ろに、いつのまにか土方歳三と、もうひとり男の人の姿。 もうひとりの男の人は無表情で冷たい瞳をしていた。 「あ、土方さん」 「総司、縄切れ」 「ハイハイ」 彼は笑いながらスクッと立ち上がり、キンと腰の刀を抜いた。 「……え…」 白刃煌めくそれに見入って固まる。 な、に……? 「やれ」 「いやぁ!!」 ザクッ!! パラッと縄が緩まった。 斬られたのは、縄だけ。