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夕暮れの帰り道。



…俺の隣には、麻子の姿。


さっきのことが今更ながらに恥ずかしくなって、お互いに照れてしまい……黙ったまま、横に並んで歩いた。



暖かい風が、俺たちの横を吹き抜ける。



麻子の少し伸びた髪が、夕日の色に染まって、キラキラと輝いている。



それが綺麗で…眩しくて。


俺は、少し目を細めた。






麻子と俺の手が、かすかに触れる。





俺は、麻子の手を…


麻子は、俺の手を……


優しく、握った。







繋がった先からジンワリと、滲むように伝わる体温。





「……麻子」




俺は、ゆっくり…話し出した。