ラスト・ゲーム



自分のバスケ好きを、改めて実感する。


「ナイスシュート!翔太!」


俺の呼び掛けにニッコリと微笑む翔太。

二人、右手を上げてパシンっと合わせた。



コートに、ボールが戻る。

「ディフェンス戻れ!」


掛け声と共に、みんなが動く。

…キラキラと、目を輝かせて。


俺に向かって剛球のようにつっこんでくる相手のディフェンスにつき、隙をついてボールを奪う。

ボールが手に入ると同時に、俺の体はゴールへと一直線に走り出す。

空気が、動くのがわかる。
流れができる。



俺の目の前には、シュートさせまいと、ビッタリ張り付いてくるディフェンス。
降りきろうと、体を左右に動かす。

そして俺は、味方にパスを送る素振りを見せて、

…かと思うとスリーポイントラインからゴールに向かってボールを飛ばした。






─スパッ…!



見事な弧を描き、俺のボールはゴールへとおさまった。