【完】先輩◆同級生《隣の席の不思議な王子》

「ただいまぁ。」



スーパーのパートのお母さんも姉ちゃんもまだ帰っててなく、私は誰もいない家の自室に戻る。



部屋の私のベッドには、アルパカの人形が寝転がっていた。



ひょうたんみたいな形で、淡いピンク色のふわふわの毛に小さい顔、つぶらな瞳。



こいつを見てると、無性にキヨちゃんを思い出す。



「もうやだぁ…さっきの、絶対キヨちゃんもいい気しないよ。」



明日謝れるかな?なんて思ってアルパカ人形を見ると、真ん丸な目がなんだか可愛くて憎らしくなる。