「ありがとう」



真央が居てくれてホントに助かっている私は、心の底からお礼を言った。



「この後は……外回りですか?」



スーツを着て鞄を持っている私の姿を見て聞いたんだろう。



「そうです。今から3社回らないといけなくて」


「大変ですね」



真央や彼から学んだ、ONとOFFの切り替えは私にもちゃんとできているだろうか?



「それじゃあ、行きます」



頭を下げて事務所を出る。


これからの話次第では、大きなプレゼンに参加できるかもしれない。


心の中で気合を入れ直し、ドアの開いたエレベータに乗り込んだ。