始めはどうなるかと思った。



会えばいつも、視線を落としふてくされて、俺のこと避けて…


いや、まだ受け入れてはないだろうけど…。



時々だが、そうやって吉崎の素顔が出て来て安心した。



聞きたい事は、色々あんだが、今は止めておこう。



焦っても仕方ないからな、



「吉崎は料理作るのが好きなのか?」


吉崎:「…そんなに好きじゃない。」

「肉じゃが旨いぞ!」

へへっと、吉崎は少し遠くを見つめるような瞳で微笑む。


吉崎:「…肉じゃがは、お母さんの得意料理なんです。後、鰤の照り焼き!(笑)」



成る程、母親に教わったのか。確か…、成雪さんが言ってたな、吉崎の母親は病気で亡くなったと…。


「…和食なんだな!(笑)」



吉崎:「お母さん和食派なんです。何回も教わった肉じゃがのレシピが身に付いちゃって…。」


だから今日の料理に肉じゃがが出てきたのか。


「お母さんも、肉じゃが作ってもらえて喜んでるだろうな!」


へへっとまた、微笑む吉崎が少し大人に見えた。