高木先生:「…顔、隠すなよ…。」


両肩を捕まれ、グルッと背中を向けてた私の体が

先生の方へ向けられる。


「わっ!」


思わず、目を開けると目の前に映る高木先生の顔。


恥ずかしすぎて、たまらず目線を下にする。



「あ、あの!わ私、その、な、慣れてないんです!こ、こういうの!!ど、どうしたらいいか、わ、わかんなくて…!」



また、ギュッと目をつぶると、柔らかな感触が唇に触れ、すぐに離れた。



ほんの一瞬のことで、何が起きたのか分からず、驚いて目を開けると先生と目が合う。


そのあまりの近さに驚く間もなく、もう一度私の唇に触れる先生の唇。


「んっ!!!」



息が止まる。ソッと離れた唇。止まった息がもう一度呼吸する。






それが、キスだなんて改めて気付いたのはほんの少し後だった。






ドキドキして、ドキドキしすぎて、頭が真っ白のまま、

そんな私の手を引っ張って化学準備室を出る高木先生。





ええええええええええええ!?
ちょ、ちょっと!!



グルグルグルグルと目を回しながら、引っ張られるがままな私。