賢志:「…あのさ。前の鏡に、写ってんだけど。」



「は!!?」



すぐ隣で、賢志がそんなことを言うもんだから、驚いて、前の鏡を見ると、鏡越しに賢志と目が合う。




賢志:「俺を避けるなら、もっと上手くやれよ。」



「…………!」



カアッと、熱くなる頬と言葉に詰まってしまう自分が悔しくて何とも言えない。





賢志:「…気付いてないと思った?」




私の顔を、にっと笑って覗き込む賢志。




「!!!ち、ちょっと!あんま、近付かないでよね!!」



フンッと前を歩きだす。




もう、何なのよ?






今は、それ所じゃないっての!









駅から学校までの道を、歩きだす。




「…何?」



隣を歩く賢志をキッと睨む。





賢志:「同じ方向なら、別に隣歩いてもいいだろ。」




「…。」




あああ、頭が回らなくなる。



言葉が見つかんない!






賢志:「完全に俺に弱くなったね。」



賢志はそう言ってにっとまた笑う。



「なッ!?アンタのせいでしょ!!?からかうのもいい加減にして!!」