純粋にドイツ語を勉強するために来ているのだ。


 嫌なことももちろんある。


 だが僕も慧子もそういったものを受け入れながら、充実した大学生活を送ろうと思っていた。


 僕自身、まだユースという身で、青春を謳歌(おうか)する年齢なのだから……。


 普段は学校に行き、空き時間も勉強に充てている。


 さすがにずっとパソコンばかり見続けていると、目や体が疲れるし、運動不足気味にもなりがちだ。


 なるだけ努めて歩くし、学内でもエレベーターやエスカレーターなどは一切使わないで、階段で上り下りしていた。


 研究に没頭する時間が積もるときは運動不足だけど、僕も慧子も基本的に健康なのである。


 学食へと歩きながら、僕が、


「もう秋だね」


 と言うと、彼女が、