昭人さんの家は奈古美市の田舎の方にある。 もうあの家には10年行っていない。 久しぶりに行ってみるのも悪くないな。 「俺も行くよ。」 「じゃあ、すぐ行くから準備してね。」 「わかった。」 洋子が部屋を出ていった。 準備といってもこれといったものは特になかった。 俺は昔昭人さんにもらった布の鞄を持って部屋を出た。