「なんで俺なんだよ・・・」
前を向いたまま則子に問いかける。

「・・・」

「何でだよ」
語尾が強くなった。

「別に、ただ目が合ったから」
則子は、それがどうした、とでも言いたそうな口調で答えた。

「・・・そっか」
幸弘はうなずいた。言っても無駄だと思った。

 女は後ろから3人を覗き込むような形で言った。
「さぁ、これで3人ね。もうこれくらいでいいんじゃないかしら?」

 どうやら山本に尋ねたようだった。

「そうやな」

 すぐ左にいる山本が銃をちらつかせながら言った。

「さぁ、この中でいちばん良太をいじめていた生徒を処刑しましょう。これで皆さんの悪夢は終わり。あなたたちは助かったのよ」