「さぁ、誰か手を挙げて、いちばん罪深いと思う人の名前を言いなさい」
銃口を向けたまま、女は見回した。

 長い沈黙。

 当然ながら誰も手を挙げなかった。


「情けないわね。自分が生き残るためなのよ?それとも何、自分自身がいちばん罪深いって思っているから言えないわけ?」


 それでも、誰もが手を挙げられずにいた。ただ、視線だけはお互いを警戒するようにせわしなく動いてた。

 あきれたような顔になると、女はノートをめくりだした。


「しょうがないわねぇ、じゃあこちらから指名するわ」

 ページをめくる音が異様に大きく聞こえた。