「言え!何が変なんやっ!!」
男の目がすぐそばで麻紀子を捕らえた。身体が持ち上げられるほど引っ張られ、悲鳴がこぼれた。

 麻紀子は男を見た。

 そして、その目に探していた真実を見た。


 目が大きく見開く。


 霧が晴れるように、違和感は完全なるモンスターとして麻紀子の前に姿を現した。


「あぁ・・・」


___どうして気づいてしまったんだろう・・・

 痛みに耐えながらも麻紀子は自分のおろかさを呪った。