女の子たちはたぶん、お兄ちゃんに近づくチャンスができて嬉しいんだ。 だってみんなにこにこしてるもん。 なんて思うのはひねくれてるのかな。 「ちっちゃいね、名前なんていうの?」 「優絵」 髪をおだんごにした女の子が尋ねたとき、お兄ちゃんは間髪入れずに答えた。 私は取り囲んでいた一同がぴたっと固まったのにも気づかないで、 あれ、もうほんとにエユはやめたのかな、とノンキに考えながらお兄ちゃんの腕から垂らしたしっぽをふらふら揺らしていた。