だって、それは…… 私の目がおかしくなったわけでなければ、真ん中に小さな鈴のついた、ただの赤い―― 「首輪にしか見えないんだけど」 一般的にある、犬や猫につけるような。 ただお兄ちゃんが持っているそれは、犬につけるにしては小さい気がするし、猫につけるにしても大きい気がする。 見たままのことを述べた私に、お兄ちゃんがちっちっと人差し指を振る。 「首輪は首輪でも、ただの首輪じゃないんだよね」 「はあ……?」